【映画】キッズ・オールライト

5月30日 @日比谷TOHOシネマズ シャンテ
ミア・ワシコウスカかわゆすぎ! あと名前読みづらい!

■あらすじ

18歳のジョニ(ミア・ワシコウスカ)は、自分の母親ニック(アネット・ベニング)、同じ父親を持つ15歳の弟・レイザー(ジョシュ・ハッチャーソン)、そしてレイザーの母親ジュールス(ジュリアン・ムーア)の4人暮らし。ママ二人と姉弟という家族で、仲良く、楽しく愛情に満ちた生活を送っている。しかし、大学進学のための一人暮らしを機にジョニは、まだ会ったことのない自分たちの医学上の父親・ポール(マーク・ラファロ)に興味を持ち、レイザーと共にこっそり会いに行くことに。オーガニックレストランを経営し、気ままな独身生活をするポールに親しみを感じた二人。しかし、ニックとジュールスにもポールのことがばれたことから、家族に少し異変が起き始める……。

■予告です

特殊な家族構成という設定を生かして、そこで起きる食い違いや反発をコメディタッチで描くヒューマンドラマ。
ということですが。。。
なんか全体的にコメディに振り切れていないしシリアスにも振り切れていないし、しかも物語中に大きなトラブルやハプニングも起きずに淡々と話が進んでいく感じで、
そういう意味では“家族の日常をリアルに切り取った感”は出せていると思いますが、あとはそれを退屈と感じるか、その臨場感から登場人物たちを愛せるか、彼らと同じ家族になった気になるくらい入り込めるか、っていうところが、この映画の感想が別れるところではないでしょうか。僕は全然だめでしたw

あとマーク・ラファロ演じる精子提供者のお父さんのキャラ設定が全然足りないよなぁ〜。
劇中、終始「この人は何かあるぞ、あるぞ…」と散々思わせぶりにフリを効かせておいて、
結局最後まで感じのいいだけの人畜無害な人になってしまっていて、凄くテキトウな締めくくり方で出番が終わっちゃってて残念。
なんか、この映画のまず芯にあるものとして、家族のいろんなあり方を肯定するっていうのがあると思うんですよ。でも結局最後にはお父さんを締め出す、排他的な結末になってしまってるっていうのは、この家族、というか映画の価値観を根底から覆すことになるのではないか、と。
子供たちが今まで会ったことのない遺伝子上の父親に会うことが出来たはいいが、その父親をまたすぐに憎むべき存在に変えさせて(おそらく永遠に)再び会えなくさせるっていうのは、最初からずっと会うことのなかった人生を歩ませるより、よっぽどその子たちを後から傷つけると思うんですが。。このへんのシナリオにはちょっと趣味の悪さを感じました。

しかもニック(恐いほうのママ)が最後に父親に向かって、「家族が欲しかったら自分で作りなさい!」みたいなことを怒鳴って彼の家への侵入を拒絶するシーンがあるんですが、お前それ、お前と同じ同性愛者の人全てに対して、めちゃくちゃ無神経なこと言ってないか? と突っ込まずにはおれません。
しかもこの人ここでこんなに怒ってるのは、保守的な価値観とかでもなんでもなくて自分のパートナー(=バイセクシュアル)と浮気をされたからなんですよ。その前のこの父親の家にみんなで行って食事をするシーンではゴキゲンにジョニ・ミッチェルの曲歌ったりしてんだから。

だもんで、結局家族がというか映画が、終始こだわった価値観に根付いて行動しておらず、
しかしまあ現実社会ではそんなこと当たり前で、それゆえに共感ができる人はできるだろうとは思います。

ご都合主義的にいろんなことが起きて、それが奇跡的に解決することで新しい絆が生まれて、みんなハッピーエンド、みたいな寒いことになってないので、そこには好感が持てたかな。