【映画】ブルーバレンタイン

5月06日 @新宿バルト9(満席!)

■あらすじ(goo映画より)

ディーンとシンディ夫婦は、ひとり娘のフランキーと3人暮らし。病院で忙しく働くシンディは、猛勉強の末、看護師の資格を取った努力家。一方のディーンは、朝からビールを飲みながらペンキ塗りの仕事をしている。2人はお互いに対して不満を持っているが、その話になると必ず喧嘩になってしまう。そんなある日、可愛がっていた愛犬が事故死する。その事を娘に気付かれないようにと、シンディの父親の家に1日預ける事にする。

■予告ですよ

■ツイッター感想まとめ ※ネタばれ注!
いやあ〜、堕ちた〜。
幼稚且つ饒舌に自己正当化が上手い男と、要求が高いわりにその内容が抽象的な女の恋愛崩壊物語。全編に渡る生々しい閉塞感。劇中で二人が向き合うたびに息が詰まる感じ。結婚の前後の二人の演技と思えないほどリアルな寒々しさが辛過ぎてマジで泣ける作品でした。

ツイッターで検索かけるだけですごい量(数も重さも)の感想がヒットしてて、それほど見る人間に訴えかける、というか誰もがどんな視点から観ても身につまされ、また自身の恋愛観、結婚観を語りたくなるようなお話ってことなんでしょう。

自分としては夫のディーンに激しく嫌悪感。ヒロイックな環境に酔って他者に優しくなれる人はいくらでもいる、が、そういう人間に限って自分の思い通りにならないことに急にヒステリックになったり、自己の正当化論が激しくなったりするもの。更にイラッときたのはむしろ結婚前の段階で既に見えた、職探しのシーンとかシンディの両親に会うシーンでのプライドの高さ。育ちとか学歴の違いを相手の家族にプレッシャーかけられた後に、当の本人に「僕は君とはつりあわない」て言うのとか、どんだけ甘えてんだよって思った。

ただそういう無邪気さも魅力、とかありがちな理由で結婚するシンディももちろん非がある。初めてが13歳で経験人数が20人超えてるっていう女が、あの状況とタイミングで都合のいいこと言ってくれたってだけの男を、本当に愛していたのかはやっぱり疑問。

ただディーンとシンディ、どちらも悪者ではなくて、よくいる人間的でしっかりと長所と短所を併せ持った人物なのがこの映画の凄いところ。どこにも視点を落ち着かせないというか、いろんな感想観てても見る人によって感じ方が全然違って、そのどれもが説得力のある理屈になっているのが凄い。

もうホント、一緒にいるのにお互いに心ここにあらずっていう感じとか、ディーンが空回りする感じとか、シンディが冷めていく感じとか、何もかもリアルすぎてキツかった。R・ゴズリングと、M・ウィリアムズの常軌を逸した怪演。最悪に凹んだ素晴らしく瑞々しい傑作。



■HP
http://www.b-valentine.com/