【映画】エンジェル ウォーズ

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5月2日バルト9にて。
金髪セーラールックの女の子が辛い現実から逃避した空想世界で日本刀と拳銃振り回して、ボンテージ美女の仲間4人とともに巨侍とかゾンビ兵とかドラゴンとかロボットとかと派手にバトルアクションを繰り広げる・・・、ってざっくりとあらすじを書くとあまりに酷い、大変に頭の悪い内容。でもそれでここまでエンターテインしてるんだから、監督ザック・スナイダーのヲタク力強し!という感じ。

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テーマとかメッセージにあまり深いものを求めることは重要でない作品であることはすぐわかる。ただそれを申し訳程度に意味ありげな要素を入れてしまっていたのは、話全体を濁らせてしまった感あり。脱出劇の結末とか5つめのアイテムのオチとか正直「なんだそりゃ」と思ったから、べつになくてもよかったところ。ただ唯一、もっと、ちゃんと描いてほしかったのは「ロボトミー手術」のディテールについて。主人公の絶対的な恐怖というファクターなんだから、ここがなおざりに描かれてしまっていたのは残念。何のために何をする手術なのか、結果的にどのような効果をもたらすのかということを説明しないと、空想世界に逃避する理由、そしてその世界では何に象徴され置き換わっているかという話に、必然性が生まれなかったように思える。

一方で、空想世界を展開する=誰もみたことのないダンスを踊る、という図式は見事。空想世界に行く理由と、ダンスがどれだけ凄いものかということの、両方の説明を補完しあう。このダンスを実際に見せてしまうと、劇中でほんとに“だれも聴いたことのない曲”を鳴らしてしまったBECKの映画みたいになってしまうから、この演出は成功といえる。

あとはとにかく女の子がかわいい! 彼女たちの、というか主演のエミリー・ジョーンズのアクションと張り詰めた表情が最高! バトルシーンにも映像と演出に迫力ありまくって、いやでもアガる内容なことは確か。ボンクラ男子の好きな要素をとにかくできるだけ詰め込んだ上で、「これは空想なの! だからスパッと終わっていいの!」と言わんばかりにメリハリを効かせて、テンポよく、そして意味なく続けていく。この爽快なほどの都合のよさは、潔くて、もはや好感がもてる。日本刀とか機関銃とか5つのアイテムとかゾンビとかロボット兵とか、そんなものばかりがなぜ、あんな女の子の空想でててくるのか、というのは無粋というもの。

あんまりシリアスなこと考えたくなく、カワイクてカッコイイ映像が観たいときにおススメです。皮肉ではなく、それだけで充分価値のある作品です。

オフィシャルHP
http://wwws.warnerbros.co.jp/suckerpunch/index.html