部屋においでよ Vol.1 (1)

吉祥寺WARPにて。友人のギタリストのソロライブ。ってかこの「友人のギタリスト」って言い回しもなんだか美味しんぼで山岡が「俺の知り合いの劇画原作者が〜」って雁屋哲のエピソードを頻繁に作中に登場させる気持ち悪さと似てるなぁ。ってそんなことはどうでもよくて、手伝いをしていたバンドのギターが、インストで初ソロライブをやることになったので。
以前のバンドBRAND JACKは王道な歌メロをHR/HM寄りのアレンジとフレージングの引き出して盛り上げていく楽曲が多かったのですが、バンド後期に彼が既に見せていたブルースやカントリーへの傾倒が今日のライブにまで繋がっていて、まあしょっちゅう会ってるし曲も聞かせてもらっていたりもしたのですが、改めて半年ぶりにギターを弾いている、それもストラトの甘い音色でエロいAORを奏でている様子を目の当たりにするに、すんごい友人を持ったもんだと変に感傷的になりました。タメまくった泣きメロを本気の顔で弾き倒している姿にはめちゃくちゃ笑ったけど。
打ち上げでは色んな人が入り乱れていて、しかし何だかどうやら皆がみんな知り合いが全然いないようで、僕も含めてほぼ全員が1対多の「始めまして」っていう状態から呑み出すという感じ。最後には話も色んな方向に盛り上がってて、元BRAND JACKベースのちゃん君が「これやからバンドはオモロイ!」と何気に言った一言に妙に納得させられました。


話変わって。
吉祥寺っていう街は昔から行くのが苦手でして、というかなんか中央線で伸びていく東京の左側のあたりは、板橋区出身というか第4学区的にどうも一線を越えて行かなきゃならない感覚が未だにあって、これが西武線とかだと全然気楽に何処へでも行けるのに、まあ吉祥寺に限らず高円寺とか荻窪とかっていう街は新宿から数分で行ける場所にも関わらずなんだか妙に敷居が高い感覚があります。
それぞれの街に排他的な感じがあるわけではもちろん無くて、これはきっとその街が持つその街それぞれの個性を、そこにいる人たちや来る人たちが意識的にわきまえていて、街としての文化的“自足”感が昔から溢れているからでしょう。中野と高円寺とか、もっと言えば荻窪と西荻窪とか、普通に歩いていける電車一駅だけの違いなのに、全部別の街としてのキャラがあるように感じますよね。そのへんが逆に他の郊外から遊びに行った際には、自分がちょっと地に足がつかないというか「お客さん」的な感覚を覚えたり、逆に住んでいる人にとってはめちゃくちゃ魅力的で便利な街なんだろうなあといううらやましさがあったりします。
とか言って以前は阿佐ヶ谷のスタジオに通勤していたこともある僕ですが、当事から今に至るまでこんなことを感じているのを考えると、こんなこと思うのは俺だけだろうなとも思い、要するに俺にはオサレタウンは無理だ、と結論した次第です。

ところでWARPのビールはプレミアムモルツの瓶入りのものでした。すごい。しれっと発泡酒をだす箱が多い中でなんだかよくわからないコダワリ。別にライブハウスでのビールなんかにそんなことはもとめていないのに、うーんコレが吉祥寺クオリティか。関係ないか。

■そんな中央線沿線的80年代の青春グラフィティ。

部屋においでよ 1 (ヤングサンデーコミックス)

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