夕凪の街 桜の国
映画『夕凪の街 桜の国』を観ました。
いやあ、泣いたわー。
元々原作がすげー好きだったんですけど、映画ではさらに自分の好きな人たちがいっぱい出演しているし、これは観なきゃと思ってたんです。
戦争ものの話って観るのが辛かったり説教くさかったりあからさまにお涙ちょうだいだったりしたものが多くてニガテなんですが、これはもの凄く親近感が沸いて爽やかに感動できて、前向きになれる作品ですね。
原爆投下から13年後に原爆症が発症して最初の主人公の皆実が死ぬ時に言うセリフとか、舞台が現代に移ってからのラストシーンの七波のモノローグとか、原作者のある意味で客観的でミクロな視点が投影された丁寧な言葉が印象的でした。
なかなか伝え辛い思いとか情景とか当事の雰囲気とか、被爆についての様々なジレンマをさりげなく伝えるのが凄く上手い脚本と演出で、さりげない言葉やシーンにドキッとさせられる場面も多々。一人一人の人生を優しく描くことで、犠牲になった分だけの沢山の“一人”の辛い物語があり、それは未だに続いているんだということが、こう、おしつけがましくなく淡々と、でも強烈なインパクトをもって染み込んできました。ただ、それも人物描写がみなとても優しく演出されていて、悲壮感が出すぎそうなところを上手く抑えてあって、結果的にはとっても温かい、綺麗な話になっていました。
まじやばいからみんな観て! 絶対!!
- 作者: こうの史代
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2004/10/12
- メディア: コミック
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