So this is xmas And what have you done.

ということでジョン・レノンミュージアムに行ってきました。
http://www.taisei.co.jp/museum/
最近になって安定した生活につくまでクリスマスどころか、盆も正月も、そういうイベントとかの日も全く関係なくなんかしら動いていたから、ひがみでも開き直りでもなく、ホントにクリスマスっていうことで特別なことしなきゃっていう感覚がなくなっているのだけど、
今年はっていうか今年の12月は、仕事もプライベートも色々なことがあって、ちょっと想いにふけってみようと、さいたま新都心に向かいました。たまには感傷的になるのもよかろう。


ミュージアム内はとにかく資料が充実していて、「ていうか日本にあっていいの?」と思わせるものすら惜しげもなく展示されていました。

例えば、ジョンが始めて買ってもらったという一本のギター、
例えば、歌詞の草案をしたためたノート、
例えば、オノ・ヨーコ氏と出会うきっかけになった彼女のアート作品、
例えば、ニューヨークでの戦いの生活や軽井沢での穏やかな生活風景、

伝説を目の前にしてシビレまくるワタシ。。。

ロックンロールはもとより、リズム&ブルース、サイケデリックミュージック、ハードロック、パンクス、グラムロック、そもそもに現在のポップスに至るまでの音楽的な内容。
ビートルズ初期のビジュアルを統一させたイメージ付け、コンサート製作方法、トラック別レコーディング、中期のコンセプトアルバムというアルバム単位での作品性、インド哲学への瞑想、後期からソロ以降の平和活動、その為の過去の破壊。
怒り、迷い、戸惑い、願いなどなど、歌にメッセージをこめる楽曲づくり。

現代のロックがどんなに多様性に富んでも、どんなにアヴァンギャルドなものが出てきても、その影響の親の親の親ぐらいをたどっていけば、ここにたどり着くとは、よく言われることだ。「世界ではじめて」ということを「世界で最も多く」やったミュージシャンが、ビートルズであり、ジョンだったということを思い知らされました。
今我々が聴いているポピュラー・ミュージックが、この人が居なかったらどうなるのだろうと考えるとゾッとします。音楽と言えば歌謡曲でありラブソングだったんだろうな。音楽評論なんて考え方はないだろうし、音楽の専門学校なんてなかったかもしれない。
つまり今の俺の人生でさえ、この人の影響の元に生きているわけだ。
そしてそのジョンでさえ、晩年はオノ・ヨーコという天才アーティストの影響力下にまた生きた。芸術は国境も世代も超えて人を変えるんだなぁと実感。


最後の展示は、1980.12.08 と書かれただけの壁で終わる。
自分が生まれて3ヶ月と3日目にジョンはこの世を去った、ということだけでも何かを感じずにはいられない。そして順路は、ジョンのメッセージが大きく散りばめられた真っ白な部屋へと続く。“ファイナル・ルーム”と名づけられたその部屋で、独特のジョン節に力を貰いました。


優れた表現に触れると、自分の才能とか出来ることとかに関係なく、「俺もこんな映画撮ってみたい! とか、こんな風に考えを発表してみたい!」とかって感じる。自分が空っぽで無力なのはわかっていても、それでも何かを始めたいと思わせることができるのが、一流のアーティストだと思います。
音楽でも、写真でも、日記にもならないような言葉でも、公に発表することはなくても、ジョンやヨーコのようなことができなくても、自分なりの手作りのものを残していこうと思いました。なんとなく。