絶望に効くクスリ 4―ONE ON ONE (4)

ブログやら日記やら自己紹介やら飲み会やら、オンライン/オフライン問わずにたまに見かける、「褒められて伸びるタイプ」を自称する人間。こうはなりたくないと思う人種の一つ。
褒められれば嬉しいのは当たり前だし、調子に乗るのも当たり前。だけども、浮き足だって増長するよりは、せっかく褒めてくれた人を今後がっかりさせたくはないな、と、より気を引き締めるほうが自分の為にも良いのではないかと思う。
人を成長させる手段として「褒める」という行動が効果的なことは有名だし、それは正しいと思うし、自分もそうして成長してきたとも思う。ただ、これを自己の中で肯定している*1人間は、伸びることよりも褒められることの方が目標となってしまっていて、さらにはそんな奴は大抵極めて自意識が強いから以上に嫉妬深いからたちが悪く*2、逆に非難された時には異常なテンションで自分の正当性を訴えるか、必要以上に落ち込んだ(そぶり)を見せるかで、周りの気を引こうとする。


褒められることで人は成長するが、それを自覚した時点で、成長は止まる。
また、怒られることでも成長するタイプの人はいることはいるが、今の時代は珍しく、また自分が成長するために、あえて怒られるようなことをするわけにもいくまい。


では、自分と周囲の気持ちの向上と成長を促すために、能動的にできるコミュニケーションのスタンスとはなにか。

それは、人を「褒める」ことではないか。
今まで会った凄いと思った人たちは皆、色々なことに興味をもって尊敬するタイプの人だった。好奇心が強いために他人の良いところを発見するのが上手く、嫉妬心が無いために屈託なく人尊敬することができ、虚栄心が無いためにその良いところを参考に真似できるのが速い。結果、その人の周りには当然色んな人やものが自然と集まってくるわけで、そうして集まったものの中で、本人自身は色んなところをピックアップして、その影響下で常に自分を磨き上げている。こういう人はやっぱり魅力的だよね。最初から枠組みが自分の中じゃないんだもの。いくらでも大きくなっていける。
できることなら、自分もそういうタイプの人になりたいと思わずにはおれないな。
まま、軽く言うほど簡単なことじゃないってことは百も承知だけどさ。


絶望に効くクスリ」4巻のエピソード。「自分が薄いんですよ」と語るその人は、嫉妬が一切無く、尊敬ばかりしていた子供だったそうで、難しいことを言う友人がいれば「スゲー!」と思って、全然難しくないことしか言わない友人がいれば「スゲー!」と思っていて、本人に「お前、凄いな!」と心から言っていたそうです。このエピソードで本当に一番「スゲー!」のは誰だか、一目瞭然ですよね。そんな風にして出来たのが、ほぼ日刊イトイ新聞だそうです。

絶望に効くクスリ―ONE ON ONE (Vol.4) (YOUNG SUNDAY COMICS SPECIAL)

絶望に効くクスリ―ONE ON ONE (Vol.4) (YOUNG SUNDAY COMICS SPECIAL)

*1:平たく言や、開き直ってる

*2:これを「プライドが高い」とかって言葉に誤変換していることもままある