夏の遊びと暗い真実

この夏は遊んだ。
五日市にキャンプに行き、隅田川の花火大会に行き、RIJFESにも行った。
やはり夏は遊ばないと! ってな感じではしゃいではいたが、盆の休みで時間をもてあましながら環境問題についてなんとなく本を読んでると、のんきに遊んでたことへの反省が巨大な焦燥感へと昇華して襲ってくる。
僕らがバーベキューしたりして騒いでいたこの夏だって、北極の氷はIPCCの予想より50年も早く溶けだしていたわけだ。家電企業の省エネ技術開発の躍進を恐れた一部の人間が必要のない非効率な発電所を作ったり、圧倒的な量の温室効果ガスの排出をしてる工場に目も当てず、個人の微々たる活動を啓蒙してるフリをしてイメージアップと業績しか考えてない企業。エコなんて馬鹿馬鹿しいぜっとかスカしてカッコヨクしてる人たちがいる一方で、実際にはもう人類は9割を越える確率で滅亡するというのが環境学者の今の共通認識だ。
今年、会社や友人など、それぞれに近しい人で三人も子宝に恵まれた報告をうけた。素晴らしく喜ばしいことなんだけど、単純に「おめでとう」を言ってる場合じゃなくて本当にやばいことになっていることを知った方がいい。このままいけば、生まれた/生まれてくる彼らの未来は絶望しか残されていない。
彼らが小学校を卒業するころには北極は消滅する。冷却効果はさらに弱まり、加えて凍結していたメタンがCO2の20倍のスピードで温暖化を促進する。大気、海流、気候の流れは大きく狂い、ありえなかった天災に見舞われる一方で、プランクトン、バクテリアから様々な生物が死滅して食料危機になる。40歳を迎えるころには石油が完全に枯渇し、それに先駆け、食料とエネルギーを略奪する戦争が起こる。海面上昇とともに伝染病増加。とまらない温暖化は海のCO2吸収量のキャパを越えてさらに加速。やがて海の水が蒸発し水蒸気がさらに温暖化へ、さらに海面蒸発となり、地球はひからびて死滅する。無論ほかにも連鎖的に起こる問題は無数にある。

誰がどう考えたって国家レベルで各エネルギーの使用料とCO2の排出量を抑える、強制的な制作が必要だ。しかし子供が考えてもわかる理屈に、なかなか社会が動かないのは、この国の、企業レベルではとにかく他会社より稼ぎたい利益至上主義が、個人レベルでは流れに乗るのは嫌、自分だけは効率的な真実を知ってるような人でありたいというような似非個人主義がのさばっているせいだ。
とにかく一刻もはやく、クリーンエネルギーの発電所の開発を望む。日本は火山国なんだからアイスランドみたいに地熱発電を導入することが、難しいこととは思えない。
地下鉄のホームがめちゃくちゃに暑いのはもう嫌だもの。